2014年7月23日水曜日
第4回シマ学校「池間島のアーグマーイ」を開催しました
シマ学校第4回目は、「池間島のアーグマーイ」。
先日の島唄の取材から、「池間島の古いアーグ(唄)を残し、うたい継いでいかなくては!」とすっかり火がついてしまいました。きゅ~ぬふから舎の90歳代の方々に子どもの頃によくうたっていたうたを思い出していただく中から、「まりつきのアーグ」や、「アーグマーイ(輪になって順番に歌詞をうたう)」をして遊んだ唄が次々と出てきました。
そこで、今回のシマ学校では、「まりつきのアーグ」、「タマビヌアニガマ」、「アカンミフニュー(曲名不詳)」「アウマチャガマ(曲名不詳)」の4曲のあそび唄を、島の子供たち(幼稚園・小中学生)と一緒に歌う練習をしてみることにしました。
さらに、今回のシマ学校には、県立宮古総合実業高校のみなさんも参加してくださいましたので、島の子どもたちと一緒に唄を習っていただきました。
70歳~80歳代の方々ですら、「なんとなく聞いたことはあるけれど(そらでは)唄えない」、という唄でしたので、まずは書き起こした歌詞と楽譜をみながらうたう練習。
子どもたちにとっては、イケマウツ(方言)で何のことやらわかりません。が、おばぁたちが唄うのにあわせて口ずさみます。
「まりつきのアーグ」は、かつて女の子たちが、月の明るい夜、輪になってまりつきをして遊ぶときに唄っていた唄だそうです。唄の歌詞は、「女の子同士のまりつき遊びに、男の子たちがちょっかいを出したりひやかしに来るので、女の子たちはみんなで男の子を押したり返したりして、いじめてやろう」というような内容。先生の前ではとても唄えないような文句も入っていて、とてもチャーミングです。
おばぁたちがうたう唄にあわせて、幼稚園生はまりつきの練習。
こちらは、「アカンミフニュー(熟れたみかん)」を、四つ竹を打ちながらうたっています。
正月に女友達たちとサウガツマーイ(家々を順番にまわる)をするなかで、よくうたわれたうただそうです。
曲名はよくわかっていませんが、「アラヤー(屋号)のお母さん家の庭に、よく熟れたみかんが鈴なりになっているので、今夜それを盗みにいこうと相談している」という内容の唄。
実際に、池間島には「アラヤー」という屋号の家が3軒あり、そのうちの1軒にはとても広い庭がありみかんの木もあったのだそうです。あそび唄にうたわれている歌詞が、実際にあった情景なのだとわかると、唄にぐっと親しみがわいてきます。
練習の後、テーブルごとに「アーグマーイ」をしてみました。
2週目には、踊りながらうたえるまでに上達。中学生もなかなか上手にうたっていました。
最後は、「池間の主」を 全員で合唱。
平良方言で唄われた歌詞が一般的ですが、池間の言葉でもともと唄われていた歌詞をきちんと継承しようということで、今から約60年前に池間島の歴史、民俗、歌謡の調査をされてきた前泊徳正氏の著書『池間島の民謡』(1982,HOST・M企画,p.144-148)から歌詞と解釈を習いました。
今回のシマ学校では、子どもたちと一緒に唄える遊び唄を中心に取り上げましたが、生活の各場面やお祝いの席などで唄われるうたの数々も、掘り起こして残していきたいと思います。これらの唄の中から、当時の人々の暮らしや考え方を教えてもらうことが、これからの時代を生きる上で大きなヒントになるかもしれません。
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