2012年9月29日土曜日

池間島写真館が再びはじまります。

今から約50年前の池間島。
カツオ船、男たち、女たち、子どもたち、家並み、祭祀や暮らしぶり…。
昨年、ミャークヅツにあわせて100点あまりの写真をお披露目し、大好評だった「池間島写真館」が再び始まります。


本日は、池間島離島振興総合センターで、写真館オープンに向けて準備作業を行いました。


これらの写真の多くは1961年代に池間島でフィールドワークを行った民俗学者の野口武徳氏によって撮りためられたもの。戦後アメリカの占領下にあった沖縄の離島で、人々がどのように暮らしていたかが刻銘に描かれた、歴史的、文化人類学的に見ても貴重な写真たちです。


島の人々によって撮影されたものも合わせ、集まった2000点のネガから1000点を修復し、500点はDVDにもしています。数多くの写真から厳選し、今回は約200点を展示します。

今後の構想は、写真館の案内と解説を島の高齢者の仕事にしていくことです。
喫茶室も開設予定ですので、池間島にお越しの際は、写真がつながく過去、現在、未来を体験しにいらしてください。


「池間島写真館」
会場:池間島離島振興総合センター
時間9時~18時
お問い合わせ:NPO法人いけま福祉支援センター(0980-75-2870)

2012年9月27日木曜日

来年民泊を予定されている学校の先生方が下見にいらっしゃいました。


台風17号が近づく中、本日は岡山県立倉敷天城高校の先生が池間島での民泊の下見にいらっしゃいました。
まずは、離島振興総合センターで民泊の1日流れや、これまでの民泊の様子やさまざまなエピソードなどをお話。







ある民家さんでのお話。
夕食の時間になっても、一人の高校生は「俺、風呂」といって一人シャワーを浴びに行ってしまいました。おばぁはだまってその高校生を風呂へ行かせ、他の高校生たちと一緒に夕食を済ませました。風呂から上がった高校生は食事をとろうとしますが味噌汁が冷めてしまっています。「おばぁ、味噌汁を温めたい」というと、「何!?温めたい?ガス代がもったいない」といって激を飛ばしました。仕方なく冷めた味噌汁をすする高校生。しかし、おばぁはその高校生が食事をする間ずっと付き合って、いろいろな話をします。普段は誰と食事をするか、親は何をしているのか、あれこれ聞いてくるおばぁに対して最初は「うるさい」と思っていたかもしれません。しかし、「あんたの両親も、本当はあんたと一緒にご飯を食べたいはずよ~。だけど今は働かなくては食えない時代だからね、一生懸命働いているんだね。わたしが子育てをしているころはね、食べるものなんてなかったけど、大人数の家族みんなで食べたからおいしかったよ~。だから、あんたが大人になって、家族をもつようになったら、ご飯はみんなで食べられるといいね~。」と話し続けているのです。最初は反発していたこの高校生も、島を離れる日になると「家族ができたら、みんなでご飯を食べるよ」とおばぁに告げて帰ったそうです。

島の民泊では、自然と対峙しながら生きて来た人々の知恵や体験とともに、時には高齢者の叱咤激励を受けながら、生きていくうえで大切ななにかを得ることができるのです。


さて、実際に生徒たちが宿泊する民家さんは、どんな雰囲気なのか、民家さんはどんな方たちなのかをご紹介するために数件の民家さんを訪ねていきました。


民泊開始当初から引き受けていただいている与那嶺ヒデさん。
突然の訪問でも快くもてなしてくださいます。


台風の影響で強風が吹き荒れる中でしたが、島の様子もビデオに収めていかれました。


伊良波スミ子さんのお宅にもお邪魔しました。
「生徒たちを、ぜひよろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします」
倉敷天城高校のみなさんが訪れるのは来年の6月とのこと。
島の高齢者も楽しみにお待ちしております。