2014年11月30日日曜日

第28回池間民族の集いが開催されました


池間、西原、佐良浜各地区から「池間民族」を名乗る人々が大集合し、スポーツ競技や親睦会でおおいに盛り上がる、「池間民族の集い」が盛大に開催されました。
開催場所は毎年持ち回りとなっており、第28回目の開催となる今年は池間島での開催でした。


開催地区である池間島では、朝から大量の刺身をさばいたり、


これまた大量のワーヌンスゥニ(豚の味噌煮)を炊いたりと、懇親会の準備が着々と進められていました。
ワーヌンスゥニは、池間民族のお祝いにかかせない伝統料理で、豚肉に味噌をもみ込み、水を一切加えずに豚肉から出る油だけで炊き上げて作ります。今回は、豚2頭分の肉と、池間島でつけた味噌を使っています。


一方、各地区から集合した「池間民族」たちは、5つの競技が行われる会場に各々集まり、熱戦を繰り広げるというわけです。
こちらは、グラウンドゴルフ大会の部。


ゲートボール大会もあれば、


囲碁大会もあります。
そのほかにも、ゴルフ大会、ボウリング大会が同時並行で開催されていました。


それぞれの競技が終わると、離島振興総合センターにて親睦会がはじまります。
200名を超える「池間民族」が大集合しました。


池間民族の集い実行委員長である、自治会長の波平さんがあいさつ。


各競技の優勝者、優勝チームの表彰もありました。


池間島出身の三線の名士である波平重夫さんと糸満旦男さんお二人による「とぅあにあやぐ」「池間の主」で幕開け。


余興には、池間老人クラブによる踊りあり、


学童保育の子どもたちによる出し物ありで、会場を大いに沸かせました。
池間の幼稚園生と小学校低学年の子どもたちは、シマ学校でよみがえったヤライアーグの中から、「アウマチャガマ」と「まりつきのアーグ」を披露しました。


また、29日に行われた「宮古島市民総合文化祭児童生徒の部郷土の民話大会」で見事市長賞を受賞した浜川のどかさんは、「ミハギバトゥとガラサのゆがたい」を池間方言で披露。


とにかく、「池間民族」の名のもとに集結する人々による、「池間民族」の自尊心と団結を確かめ合うような一大イベントです。池間島での集いを無事盛会に終えることができてなによりでした。
来年は佐良浜地区での開催です。

2014年11月29日土曜日

第7回シマ学校「うながやーやーの味噌づくり」を開催しました


11月のシマ学校は、「うながやーやー(自分自分の家)の味噌づくり」です。いまでも毎年味噌をつけているという、山城美枝さんと仲原ソヘ子さんを講師に、昔ながらの味噌づくりを教えていただきました。


生き生き教室のみなさん25名と、学童保育の子どもたち、池間の中学生のほか、県立宮古総合実業高校の高校生9名も参加して、総勢50名でみそつきです。


先日、山城美枝さんに仕込んでいただいた麦麹。9日目で、このようにふんわりと麹が立ちました。


前日の夜から水に浸し、2~3時間やわらかくつぶれるようになるまで炊いた大豆をむしろの上に広げ、麦麹を混ぜ合わせます。
今回は、2斗甕1個分の分量として、15kgの大豆に赤麦2kgを使用しました。


これを木臼にいれて、きねでついてつぶしていきます。
1960年代の写真を見ると、近所のお母さんたちが寄り合って、木臼で味噌を突いている様子がわかります。このような光景も含めて、「味噌つき」という暮らしの中のイベントを現代に復活させてみようと、昨年の11月にはじめて味噌つきに挑戦し、今回は2回目の味噌つきです。


3名ずつ交代しながら、みんなで杵をつきます。この時、うたをうたい、手をたたきながら味噌つきを見守ります。




豆が完全につぶれたら、塩を投入してさらにつきます。豆と塩の割合は、体積で6:1くらい。
最後に、大豆の煮汁に泡盛を少し混ぜたものを加えて手でこねて、みみたぶくらいの固さになるよう固さを調整します。


よく混ざったら、団子状に丸めて、空気が入らないようにカメの内側にぺたぺたと貼り付けていきます。
このとき、「タウテー ウフユバイ ンスゥーシミー カギユーインカイヌ ンスゥーカナーシミー フィーサマティー」と言葉を唱えるのだということを、仲原ソヘ子さんに教えていただきました。この味噌が豊かな世をもたらし、たくさんの祝いにこの味噌が使われますように、といった願いを込めるのだそうです!

ついた味噌を入れる前に、カメの内側に塩をすり込み、底にも麦麹を少し入れておくのも忘れずに。
味噌カメに仕込んだら、約6か月後には味噌が食べられるようになります。時々手を入れてかき混ぜるのですが、手を入れるほどに味噌が赤くなる、のだそうです。


こちらでは、味噌つきの様子を「見加勢」しながら、ウツマミの脱穀をしています。
このウツマミは、今年3月に種まきを行った際に参加してくれた高校生が種を持ち帰り、学校の圃場で栽培してくださったもの。一足はやく、収穫して持ってきてくださいました。


しっかりと豆がふくらんでいます。
来年こそは、このウツマミで味噌や豆腐を作ってみたい、、、と思いますが、池間の耕作放棄地で栽培中のウツマミとあわせてどれくらいの量が収穫できるかお楽しみです。


さて、味噌つきが終わると、昨年11月に仕込んだ味噌でつくった豚汁と、黒あずきを入れた豆ごはんのおにぎり、野菜てんぷら、黒糖てんぷらなどがふるまわれました。
昔から、味噌作りが終わると、「ンスゥヅキユーイ」といって、その家が手伝いの方々をねぎらって食事をふるまい、楽しくお祝いをしたそうです。


島の幼稚園生から、最高年齢93歳のオバアまで、みんなで味噌を仕込みました。半年後のシマ学校では、出来上がった味噌でふたたびお祝いをしたいと思います。

2014年11月27日木曜日

「みんなの運動会」を開催しました


毎年恒例のきゅ~ぬふから舎運動会。今年は、「みんなの運動会」として、きゅ~ぬふから舎の利用者のみなさん、生き生き教室のみなさんと、学童保育の子どもたちが参加して盛大に開催されました。
きゅ~ぬふから舎の仲原ハルさん(93歳)が、「今日は心の底から笑い合って、みんなで精いっぱい楽しみましょう」と開会のあいさつ。


続いて、学童保育の幼稚園生5名による選手宣誓。
島の幼稚園生ともなると、この場に参加しているオバアたちのひ孫世代にあたります。


競技種目に入るまえに、幼稚園生によるお着替え&段ボール競争。
きゅ~ぬふから舎と生き生き教室のみなさんが声援を送ります。


この笑顔、素敵でしょう。


全員で健康体操をしてから競技に入ります。


最初の競技種目は、車いすリレー。
車いすに座ったきゅ~ぬふから舎の利用者さんを、元気な生き生き教室のみなさんが押してスピードを競います。途中、ポールをよけながら進まなくてはならず、細かな車いすさばきが求められます。



いつも介護している利用者さんを乗せて、きゅ~ぬふから舎のスタッフ同士の熱戦も繰り広げられました。車いすに乗った利用者さんもびっくりするほどのスピードで激走しております。


続いて、玉入れです。
はじめはこんな感じでスタートしましたが、

次第に線があいまいになり、玉が全部カゴに入るというハプニングもありましたが、勝敗なしで無事終了。


幼稚園生も、玉拾い係りとしてしっかりオバアたちのサポートをしてくれました。


続いて、野菜リレー。
たまねぎ、ゴボウ、大根、きゃべつ、、、次々に読み上げられる野菜を幼稚園生が選んで手渡し、オジイやオバアたちがそれをリレーしていくスピードを競います。


次から次へと、野菜を手渡していかなくてはならない、大忙しの競争です。
あまりの勢いに川上雄吉オトウも目を白黒していますが、隣に座るトシさん(オカア)から一生懸命野菜を受け取っては次に送っています。
いくつになっても、夫婦で一緒に楽しめるのは素敵なことです。

そのほかにも、風船割り競争や、


魚つりゲーム、幼稚園生の遊戯など、盛りだくさんのプログラムをこなし、あっという間の2時間。この間、終始笑顔が絶えませんでした。

島の幼稚園生から、オバアたち、介護をが必要な高齢者のみなさんまでみんなが集まり、一緒に競技を楽しむことができた、とても素敵な運動会となりました。

2014年11月22日土曜日

琉球新報「落ち穂」の連載11回目が掲載されました


琉球新報の文化面エッセイ「落ち穂」というコーナーに、NPOスタッフの三輪が記事を書かせていただいています。

第11回目は2014年11月21日発行。お手元に紙面のない方は、ぜひこちらからお読みください。 (画像をクリックすると拡大します)

2014年11月20日木曜日

次回のシマ学校にむけて「麦こうじ」を立てています


11月のシマ学校では、「うながやーやーのみそづくり」(自分自分の家の味噌作り)を計画しています。そのために、今日は味噌仕込みに欠かせない麹(こうじ)の準備を行いました。
教えてくださったのは、山城美枝さん。池間島で麹立てから味噌作りを続けている最後の一人です。この貴重なアマイ・ウムクトゥを、この場でも少しだけご紹介します。

まずは、赤麦2kgを木臼でついて(120回くらい)、殻をとばし、水で炊いてから天日で一気に干して乾燥させます。


十分に乾いたら、今度は汲んできた海水に浸します。水分を切って、たんすの引き出しに敷いたレインコートの上に広げます。
この「たんす」や「レインコート」は、美枝さんの工夫で麹を立てるときに毎回使っているものだそうです。


池間島のおばあたちから、むかし味噌づくりの麹を立てていた頃のお話を伺うと、必ず登場するのが「ススキの葉」。
現在、美枝さんは、農薬や除草剤が使われていない場所から選んで葉を採ってきているそうです。


ススキの葉を麦の上に広げ、レインコートでしっかりとくるんでからタンスにしまいます。
タンスの中で寝かせ、うまくいけば、1週間~10日で黄緑色~深緑色のふわふわとした麹が立ってくるそうです。

次回シマ学校は、11月29日(土)13:00~離島振興センターにて開講します。
美枝さんの麦麹を使い、木臼で味噌をつきながら、うながたまたまの味噌作りのお話をお聞きしていきたいと思います。

関心をお持ちの方は、ご連絡の上ぜひご参加ください。

2014年11月18日火曜日

11/16~18の日程で、滋賀県立石山高校のみなさんが来島しました


11/16~18の日程で、滋賀県立石山高校のみなさんが来島しました。石山高校さんは、おととしの修学旅行の際も池間島で民泊し、漁港周辺に花を植えてくださっていたので思い入れもあり、池間島の民家のみなさんも心なしかリラックスしたお出迎え。
池間地区では、148名の生徒さんが26軒の民家にわかれて宿泊です。


風が強く、雨もぱらつくあいにくの天候でしたが、民家さんとの家業体験を楽しんでくださったようです。
(女の子たちは港内に泊まっている船の上からミジュヌ釣りに挑戦している模様。民家のお父さんは、漁師としての一挙一動すべてに子どもたちが黄色い歓声を上げてくれるため、終始表情がゆるんでおりました)


2日目の夜は、池間・狩俣・西原地区ごとに交流会が開催されました。
クラスごとの出し物や、合唱、「島唄」や「涙そうそう」などをうちなーぐちで披露してくださいました。石山高校には音楽科のクラスがあり、声楽やピアノやバイオリンなどの楽器を専攻している生徒さんも大勢いるそうです。さすが、歌声も本当に美しく、涙を流しながら聞いている民家さんもいらっしゃいました。


池間島からの出し物は、幼稚園・小学校1・2年生によるダンスと、池間小中学校校歌遊戯。
幼稚園生から80代のおばあまで、全員で踊りを披露しました。


最後はクイチャーで交流です。
ミャークヅツのクイチャーを石山高校のみなさんと一緒に輪になって踊ります。


楽しい交流会を企画してくださった修学旅行委員のみなさん、ありがとうございました。
2泊3日が本当にあっという間でしたので、今度はぜひあたたかい時期にゆっくりと遊びにきてくださればと思います。