2016年11月25日金曜日

ムズ(麦)の種蒔き

 11月25日、天候はくもり、今年のムズ(麦)蒔きをおこないました。11月に入り、麦蒔きのタイミングをはかっているところでしたが、ここ最近雨続きの池間島でした。
雨が降っていない今がチャンスと、この日に決行。今年5月に収穫して保管しておいた種麦を蒔きました。

10~20センチメートルほど溝を掘って麦を蒔き、脇の土をそっと被せていきました。
 空が曇っていたので、いつもはギラギラの太陽も今日はお休みです。夏には考えられないほど、涼しく作業できました。
 麦畑の横には、ナンク(島カボチャ)が育っています。ナンクは大人が一人で抱えられないほど大きくなります!

池間のおばぁたちは、カツオのなまり節と合わせてナンクを炊きおいしいおかずを作ります。
 麦蒔きが予定より早く終わったので、畑の垣になるようにと、ヤラウギー(テリハボク)とブッソウギー(ブッソウゲ)を植えました。
 ヤラウギーが人の背を超える生垣に育つのは、10年後・・・20年後!?
 畑を強風から守る立派な木に育ってほしいです。
最後に麦を植えた畑の真ん中に、ススキを結ったマータユッヴィ(魔除け)をさして、麦に悪いものがつかないよう、元気に育つようにお願いしました。

麦が収穫できたら、麹をおこして、ウツマミ(下大豆)を使い、100%池間島産在来種の味噌を作りたいです!

2016年11月24日木曜日

11/22~24に兵庫県立尼崎北高校のみなさんが来島しました

11月22日、兵庫県尼崎北高校のみなさんが修学旅行で来島しました。 2学年の320名が、池間島、狩俣地区、西辺地区に分かれて民泊します。
 民家さんと対面する入島式は3回に分かれておこなわれました。

各グループ、写真入りの自己紹介カードを持って自分たちがお世話になる民家さんとあいさつします。
離島センターにぎっしりの高校生たち。
 にぎやかな高校生たちと対面。3日間よろしくお願いします!
 22日から24日にかけて、天気はあいにくの雨でした。各民家さんでは、予定していた農業体験や漁業体験の予定を、天候を見ながら一部変更したり、合間をぬって出かけたりしていました。

宮古では今時期からサトウキビの収穫が始まります。畑のサトウキビを切って、味見をするグループも多かったみたいです。
3日目のお昼にお別れの時間がやってきました。
 北東の冷たい風が吹きつける中の出発となりました。民家さんとのお別れに、涙する姿も。こちらは佐渡山家のみなさん。佐渡山さんに三線を習ったりしてとても楽しかったそうです。「もっといたい!」との声に「うちの子になればいいさ~」。
冬天候の島の体験は、外遊びは思うようにできませんが、民家さんと過ごす時間がみなさん良い思い出になったようですね。
 また来てね~!民家のみなさん、池間大橋のところにバスが見えるまで見送りました。
今度は晴れた池間島を見に、また来てくださいね。

2016年11月20日日曜日

第39回みやこの産業まつりに出展しました

11月19、20日に開催された第39回みやこの産業まつりに、よみがえりの種プロジェクトで育てている苗を出展しました。

今回置いていただいたのは、クバ(ビロウ)と島トウガラシ(クース)です。


今回はクバが割合人気だったようです。

森林組合の上原さんによると、苗で人気があるのは、島バナナや島バンキチロウなどで、どこの島の種かわかるものだとのこと。

島の在来種の苗を育てて増やしていきたいと思います。

2016年11月19日土曜日

ブー(苧麻)で卒業証書を手作り

 11月18、19日の2日間、離島振興センターにて、ブー(苧麻)の紙作りがおこなわれました。

参加者は、来年3月に池間小中学校を卒業する予定の9名です。自分で紙を漉いて「卒業証書」を作ります。材料は池間島に生えているブー(苧麻)です。
ブーは宮古上布の材料です。

写真の貝、アービ(ミミガイ)で、ブーの繊維を取り出します。

池間のおばぁたち曰く「昔はヤビジでアービはいっぱい獲れたよー。今はぜんぜん見えなくなったね」とのこと。今回の作業のためにと、勝連アキ子さんが、自分の家に取っておいたアービを持って来てくれました。
ブーの卒業証書作り、紙漉きの講師は、仲間伸恵さんです。伸恵さんは、琉球大学教育学部で織染専門の講師をしています。池間島のご出身です。

今年の8月におこなわれたブーの刈り捨てからご指導いただいています。
 今回の1日目は、生えてきたブーの刈り取り、外側の繊維を取る、取り出した繊維からアービを使ってさらに細かい繊維を取り出す、取り出した繊維をソーダで煮て溶かす、の4工程です。

まずは、外側の繊維をはぎとります。
生き生き教室参加のおばぁたちも、加勢に来てくれました。

「むかしのおばぁっちがやっていたのを思い出す」というおばぁもいました。
茎からはぎとった繊維をしばし水に浸してやわらかくします。それからアービのフチでしごいて堅い皮を取り除き、細かい繊維を取り出します。この作業を「ブービキ」と呼びます。

ブービキが終わったら、取り出した紐状の繊維を1~2センチメートルの幅に切り、ソーダを加えた水を入れた鍋で2時間ほど煮ます。
 すると、繊維以外の部分が溶けて、繊維だけが残ります。
 これが2時間煮たものです。
白い繊維が残っています。
翌日2日目、昨日煮た繊維を水洗いするところから始まりました。ソーダによってアルカリ性になっている繊維を水でよく洗って中性に戻します。

その後、取り出した繊維のひとかたまりを板に置き、繊維が細かくほぐれるように、木槌でよく叩きます。ほぐれたかどうかは、水を入れた透明のコップに箸でひとつかみ入れてかき混ぜ「フワッ」と広がるかどうかみます。
 子どもたちが紙漉き準備を進めるなか、おばぁたちは昨日のブービキの続きをやっていました。おしゃべりしながらの手仕事は楽しそうです。ときどき歌も歌いながらの作業です。
 すべての準備が整い、紙を漉く作業が始まりました。

水、ブーの繊維、ネリ(水にトロミをつける)を入れよくかき混ぜます。繊維を均一に広げることが大事とのこと。
 3人1組で3グループに分かれて紙漉きをしました。みんなうまくできるかドキドキ。「失敗しても、何回でもやり直せますよ」という伸恵さんの言葉にみんなちょっと安堵していました。
 初めての紙漉きですが、なかなか筋がいいようす!
繊維のモチモチの気持ちよさを味わっています。
無事9名、自分の卒業証書の紙を漉くことができました。
 自分の漉いたものにちゃんと名前を貼っています。
 紙は板に貼ったまま乾燥させます。来月板から剥がす予定です。
どんな紙に仕上がるか楽しみですね。

2016年11月15日火曜日

すまだてぃだより44号を掲載いたしました

すまだてぃだより44号ができましたので掲載いたします。

○池間中グランプリ獲得!
○平良尚也君最優秀賞
○秋の運動会大開催
○離島医療講話会で池間の話
○ドウズマビトノハナッサウムッス―生き生き教室
○わんぱく☆学童日記

こちらからPDF版をご覧いただけます。

2016年11月11日金曜日

11/9~11日の日程で那覇市立真嘉比小学校のみなさんが来島しました―3日目

 スゥーニクズを終えて翌日、あっという間に3日間が過ぎもうお別れのときがやってきました。

「もっと池間島にいたーい!」といううれしい声がたくさん聞こえてきました。

真嘉比っ子たちのプレゼントは合唱「気球に乗ってどこまでも」でした。子どもたちの歌声を聞いて、おじぃもおばぁも目がウルウルでした。
 子どもたちも涙を浮かべながら別れを惜しんでくれるので、民家のみなさんも我慢できず、泣けてきます!
 「まあまあ、泣かないでよ~。また遊びに来てね~」

とっても楽しい体験だったみたいですね。
 仲間と協力しないと達成できない民家探しの探検や、民家さんとの家業体験、そしてタルマーイスゥーニクズを通じて、みんな池間島の青い海も空も満喫したと思います。
また遊びに来てね~!
池間大橋のところにバスが見えるまで、島のみんなで見送りました。

2016年11月10日木曜日

11/9~11日の日程で那覇市立真嘉比小学校のみなさんが来島しました―2日目


 2日目の午前中は、民家さんと家業体験、午後はみんなで海の体験となりました。

今回の体験は「タルマーイ・スゥーニクズ」。
タルマーイとは池間島の言葉で、海を「タル眼鏡」で見て回って漁をするという意味です。スゥーニクズは、サバニ漕ぎという意味です。

まず最初に川上直輝さんからスゥーニの漕ぎ方のレクチャーを受けました。
 子どもたちのグループは全部で8つ。まず最初の出発は、2つのグループが2艇のスゥーニに乗り、漕ぎ出します。

がんばってねー!!と声援が飛びます。


 スタートはミジュンマと呼ばれる浜です。ミジュンマは公民館の横、池間島の集落に近い浜のひとつです。

毎年6月頃に行われる池間島の伝統行事ヒャーリクズ(ハーリー)も、舞台はここミジュンマです。
 天気が心配された今回の体験ですが、開始頃は風もやみ、波も穏やかになりました。

当初の予定通り、ミジュンマを出発したスゥーニは、ウハルズ神社前を通過、トゥガイ(岬)をひとつぐるっと回って、ナカマグス(仲間越)という浜にゴールするというコースを行くことができました。

出発後はゆっくりタルマーイを楽しみ、岬を回った後は、警戒船の船長さんの合図で競漕をします。
うちの子どもたちはだいじょうぶかな~っと、見守る民家と集落のみなさん。トゥガイ(岬)を回って見えなくなるまで、見守っています。

双眼鏡は、池間島でカツオ船が操業していたときに実際に船上で「鳥山」を見つけるために活躍していたという年代物です。
 ミジュンマを陸路で出発したグループがナカマグシに到着したら、海上からナカマグシに到着したグループと交替し、今度はナカマグシからミジュンマまでスゥーニを漕いで帰ってきます。

スゥーニを待っている間、子どもたちは浜で遊んでいました。さまざまな漂着物を拾ったり、水切りをしたりと待ち時間も楽しそうです。
民家のみなさんだけでなく、ぞくぞくと島の人たちスゥーニクズの応援に集まってきました。

介護事業所きゅ~ぬふから舎のおじぃ、おばぁたちも車椅子から応援しました。
ナカマグシからミジュンマにスゥーニが到着。

漕ぎ手たちは無事船旅を終えて、仲間に迎えられてうれしそうです。









ミジュンマとナカマグシの間を2往復したタルマーイ・スゥーニクズ。

最後のグループのスゥーニがミジュンマに到着し拍手で迎えられました。

子どもたちは「まだま漕ぎたーい!!」とのこと。タルマーイしてスゥーニクズするのはとても楽しかったみたいです。
最後は「完漕認定証」を手渡して、体験終了。

無事みんな海路を完漕、昔の集落跡を通る陸路をトレッキングできてよかったです。