2014年5月23日金曜日

チョマ糸を使った体験メニューづくりを行っています~ブー刈りとブー引き~


池間島でできる暮らしの体験プログラムの中に、ぜひ取り入れたいと考えているのが「チョマ糸づくりと織りもの」体験です。
池間島はかつて宮古上布を織る「タテ糸」の産地だったということで、チョマを栽培し、「ブーんみ」(糸紡ぎ)をしておられるオバアもいたそうです。
現在では途絶えてしまっていますが、池間のブー(チョマ)とブーんみを復活させようということで、島内に残っているブー畑の再生や、体験用のプログラムづくりに取り組みはじめました。


今回は、西原地区で當真まり子さんが管理しておられるブーの畑にて、ブー刈りを体験してきました。チョマは成長がはやく、35~40日で刈り取りができるそうです。今回は、前回の刈り取りから46日後のブーを刈り取りました。


根元からざっくりと刈り取ります。


刈り取ると、その場ですぐに葉を落とします。


茎の半分から少し上のあたりを持ち、ぱきぱきと折りまげると、表皮が浮いて剥がれます。この表皮をはがしていく「皮剥ぎ」という作業までが、ブーの刈り取りをしたその日のうちに行われます。(水に活けておくことで3日間くらいはもつそうです)。


「皮剥ぎ」という作業が終わったものがこちら。

この皮を水であらい、しばらく水にひたしてから、「ブー引き」という作業に入ります。ミミガイという貝をつかって、皮をしごき、表皮とその内側の薄皮(この薄皮が繊維になります)を取り出していく作業です。


ブー引きしてできた繊維がこちら。「生ブー」とよばれる状態です。
この生ブーを乾燥させて、さらに細ーーい繊維に裂いたものをよって(ブーを”んみる”で、「ブーんみ」とよばれる作業)、はじめてチョマ糸ができるというわけです。
ちなみに、1㎡の畑から収穫するブからできる糸は、わずか10~30gなのだそうです。


畑ではとても作業が終わらなかったため、葉を落とした状態のブーを持ち帰り、きゅ~ぬふから舎のおばあたちにも「皮剥ぎ」の作業を手伝っていただきました。


「骨がおれる仕事で、今ではやる人がいなくなっているよ」とおっしゃっていました。


学童保育の子どもたちも「皮剥ぎ」に挑戦中です。

池間島の畑でもブーの栽培をすすめ、今後のシマ学校でも題材にしていきたいと計画しています。

2014年5月21日水曜日

宮古島市長に池間島ガイドマップを紹介させていただきました。


5月20日、宮古島市役所の下地敏彦市長を訪ねて池間島ガイドマップの紹介をしてきました。
池間島で展開中の島おこしの取り組みや、NPOがとりくむアマイウムクトゥプロジェクトについても紹介し、池間島の活動のPRをするためです。
今後は、制作したガイドマップを活用した島の案内や、1960年代の写真を展示する写真展の企画なども進めていきたいと思います。


ガイドマップ活用を いけま福祉支援センター市長にPR
 2014年5月21日 宮古新報

「池間島ガイドマップ」発行/いけま福祉支援セ
 2014年5月21日 宮古毎日新聞

池間島詳しく NPOが案内地図作成
 2014年5月24日 琉球新報

2014年5月19日月曜日

シマ学校「野のごちそう」の様子が各種メディアで取り上げられました


17日に行った「第2回いけまシマ学校」の様子を各種メディアに取り上げていただきました。

野草の料理は島の味─池間シマ学校
 2014年5月17日 宮古新報

野草料理を伝授/いけまシマ学校
 2014年5月18日 宮古毎日新聞

シマの野草でごちそうを!池間島
 2014年5月18日 琉球朝日放送
上記HPからニュースの動画がご覧いただけます。

次回は、6月第3週目あたりに「昔ながらのとうふづくり」を行う計画をしております。詳細が決まりましたらこの場でもご連絡いたします。

2014年5月17日土曜日

第2回シマ学校「野のごちそう」を開催しました


島の高齢者の生活の知恵を記録にとどめ、そこから次世代へ引き継ぐべき島の宝ものを再発見していくとりくみとして、「いけまシマ学校」を開講しています。
今回は、第2回シマ学校として、昔から食べられてきた野に咲くごちそうのアマイウムクトゥを習うべく、集落内に自生している野草などを探す散策と、クッキングに取り組みました。


今回の講師は、仲間ヤス子さんと與那嶺ヒデさんの2名。そのほかにも、シマのおばあたち約20名と、学童保育の子どもたちが14名が参加しました。いけまシマ学校の噂が橋をこえて伝わり、今回は宮古島本島からも大人や子どももあわせて13名の方が参加してくださいました。


さっそく、3グループに分かれて集落内の散策に出かけました。文字通り、「道くさ」をしながら食べられる野草などのごちそうを探して歩きます。


「ムツウサ」(和名:シロバナセンダングサ)の新芽を摘みました。ムツウサは年中白い花をつけ、種がそこらじゅうにくっつくことでおなじみの、道端や畑、林のへりなど、どこにでも生えている草。葉は、てんぷらや和え物、味噌汁に入れて食べるそうです。葉を乾燥させて、薬草茶としても用いられます。


郵便局の隣の空き地には、「海のホウレンソウ」(和名:ツルナ)とよばれる草がたくさん生えていました。


葉は肉厚でくせがなく、おひたしや味噌汁にしてもとてもおいしいのだそう。


この「海のほうれんそう」は、種が猫の顔のような形をしていることから、「マユガマフサ」とも呼ばれています。


こちらは「トゥルナ」(和名:アキノノゲシ)。これは、生のままきざんで食べます。


「ヤチューサ」(和名:ヨモギ)もたくさん生えていましたので収穫。


「長命草」(和名:ボタンボウフウ)として知られるこの草は池間では「ワーガマジュー」と呼ばれています。豚(ワー)と一緒に炊いて臭みをとるのによく使われていたのだそうです。


石垣に這うようにして生えていたのは「ツバスグース」(和名:ヒハツモドキ)と呼ばれる コショウの一種。
葉はてんぷらなどにして食べるほか、乾燥させてから燃やすと蚊よけにもなるそうです。


学童保育の小学生たちは、このような野のごちそうを見つけた場所を、のこらず地図に記入していきます。


そのほかにも、「アカバージュー」(ハンダマ)、ツルムラサキ、「バンツギー」(シマグワ)、ニラ、「ンーギー」(芋)の葉、「ヌビー」(ノビル)、「ンギャナ」(ホソバワダン)、雨が降ると出てくる「ヌイジュウ」(ネンジュモ)などなど、全部で17種類の野草を収穫してきました。


きれに洗ってから、テーブルにわかれて調理を開始します。


こちらは、アイジュウ(和え物)のチーム。
海のホウレンソウ、ンギャナ、ツルムラサキ、ンーギーの葉、アカバージューなどを混ぜてゆがきます。



去年の11月にシマ学校のプレ企画で仕込んだ味噌が食べごろになっていたので、味噌と酢、なまり節であえて仕上げました。


こちらはてんぷらに揚げています。バンツギー(桑)の葉や、ウイキョウ、ワーガマジューなどは、そのまま衣をつけて揚げました。


こちらは、ンギャナ、トゥルナ、ニラ、ヤチューサなどを細かく刻んで小麦粉と水と混ぜ、薄く焼いて「ヒラヤーチー」を作りました。


野草がたっぷり入ったお好み焼きのようになりました。香りのよい野草がアクセントになり、とても食べやすいと参加者にも好評でした。


子どもたちは、野草入りのドーナッツとホットケーキづくりに挑戦しました。
バンツギー(桑)の葉とヨモギをミキサーにかけ、すりつぶしてから混ぜ込みます。


幼稚園生から小学6年生のお姉さんまで、みんなで一緒につくりました。
バンツギーの葉はくせがなく、子どもたちでもおいしく食べられたようです。


ヤチューサ(ヨモギ)はジューシー(炊き込みご飯)にしました。とっても良い香りです。

今回講師をつとめた與那嶺ヒデさんは「自然に自分で生えているものが一番おいしく体にも良い」 「昔から池間で食べられてきたもの。島の味は上等だよ」と野のごちそうのアマイウムクトゥを話してくれました。
参加した子どもたちも、「食べられる草がこんなにあるとは知らなかった」「また作ってみたい」と感想を話してくれました。

今回のシマ学校で収穫した野草や、野のごちそうについてのアマイウムクトゥは、今後「アマイウムクトゥヌしおり」としてあらためてまとめてご報告したいと思います。

2014年5月14日水曜日

ヒャーリクズ近づく


今日は、漁業集落の皆さんを中心に、池間島の伝統行事のひとつである「ヒャーリクズ」で活躍する派竜船のペンキの塗り直し作業を行っていました。
池間島のヒャーリクズは明治27年にはじまり、今年で119回目を迎えます。


今年のヒャーリクズは6月1日(日)。
NPOも職域対抗の競漕に「きゅ~ぬふから舎」チームとして参加します。

2014年5月13日火曜日

海の体験プログラムの開発に取り組んでいます


修学旅行の受け入れに際し、民泊での家業体験以外にオプションメニューとして池間の「海の体験プログラム」を提供できるようにしようと準備を進めています。
集まったのは、池間漁協、若手の漁師たちで組織する池間漁業集落、シュノーケルやダイビングなどを専門とする池間島のマリン事業者の有志メンバー、農業を得意とする方々、NPOのメンバー。4回目の集まりとなった今回は、貝・サンゴ加工のプロフェッショナルである平良新弘さん(池間島出身・現在は平良おみやげ店を経営されています)にもご参加いただきました。

池間島の海と、そこで生きてきた漁師たちの技術や知恵、そして高齢者のもつ「アマイウムクトゥ」を生かした、ほかの地域ではできない体験プログラムを組み立てております。今年度中にはなんとか形にしようと鋭意企画中です。

2014年5月9日金曜日

すまだてぃだより15号を掲載しました。


すまだてぃだより15号ができました。

○今月の特集記事
 島の高齢者を先生に―いけまシマ学校開校
 池間自治会長選挙結果
 池間島ガイドマップができました
 学童保育だより
 高齢者の生きがいと地域活動調査
  今月の行事予定

こちらからpdf版をご覧いただけます。

2014年5月2日金曜日

学童の子どもたちとアダンの収穫探検を行いました。


池間島の周囲には、いたるところにアダンが生えています。池間では、アダンは生活に欠かせない非常に重要な植物でした。
5月に入り、一見パイナップルのようにも見える、アダンの実が少しずつ色づいてきました。今回は、学童の幼稚園生5名と3歳のせいくんと一緒に、おいしいアダンの実を探しに池間島島内の探検に出かけました。


アダンの実はヤシガニやオカヤドカリの大好物。昔は、人間の子どもたちにとっても貴重なおやつでした。


たいていの池間のお年寄りや大人たちは、アダンの実はとても甘くておいしかったといいます。また、前泊勤さん(89歳)曰く、アダンはおいしい場所とおいしくない場所があるとのこと。おいしい場所の実は、すぐになくなるらしい。また、赤く熟れた実が甘いわけではなく、むしろ黄色の実のほうが甘いらしいというお話しもききました。


ということで、おいしそうなアダンの実を探し、収穫してみました。


アダンの実を探している途中、アダンの林の下で、おもしろそうなものを見つけてはすぐ夢中になっております。子どもたちは遊びのプロでした。


収穫したアダンの実を持ち帰って、まずはきれいに洗います。


アダンの実が熟すと、実がポロポロ外れてきます。これを池間では「ツガキ」といって、ツガキの根本の部分をしゃぶって甘みを楽しみます。


さっそく味見。わずかに甘みが感じられる程度ですが、収穫した場所によって、甘みが異なっていることにも気づきました。


「ツガキ」を外した中の部分を「バス」といって、こちらも生で食べたり、炊いて食べていたそうです。


バスのほうは包丁で薄くスライスして、こちらも味見をしてみました。



子どもたちは、収穫してきたアダンの実を「きゅーぬふから舎」のオバアたちにも見てもらうことにしました。


昔はこれがおやつだったよ、と嬉しそうにお話をしてくれています。



オバアに聞くと、ツガキの乾燥したものは、カツオなどを燻しながら乾燥させる燃料にも使われていたとのことです。今でいう燻製のチップです。


こちらでは、探検中に見つけたアダナス(アダンの気根)を見てもらっています。
アダンでもっともよく利用されたのがこの気根(アダナス)を割いて作られる縄でした。水に強く良質な繊維であるため、船のロープや生活用具にも利用されてきました。さまざまな生活用具に利用されるアダナスを確保するため、秋になると大人も子供もアダン林に入ったそうです。


せっかくなので、アダナスを裂いて、ロープづくりにも挑戦してみました。
昨年、上原義男さんに教えていただいた方法でアダナスをこしらえていきます。


包丁で皮をむいてから、薄くスライスしていきます。子どもたちも興味深々。


薄く裂いたものを、今度は細く細く裂いていきます。小学生も帰ってきたので、みんなで一緒にアダナスの繊維を裂く作業に取り組みました。


とても丈夫な繊維なので、けんちゃん先生の髪を結っても切れません。
幼稚園生の美優ちゃんは、1時間以上も夢中になってアダナスの繊維を裂いてくれました。


細く裂いた繊維で縄をなっていきます。
「縄ない」は次回あらためて、上手なオジイから習い、みんなで練習してみたいと思います。


最後は、アダナスの縄で大縄跳び。みんなで収穫してきたアダン(アダナス)で、たっぷり1日遊ぶことができました。
子どもたちにとっても、身近にあるアダンでこんなに面白いことができる(そして、食べられる)ということを発見した1日となったことでしょう。