2014年5月17日土曜日
第2回シマ学校「野のごちそう」を開催しました
島の高齢者の生活の知恵を記録にとどめ、そこから次世代へ引き継ぐべき島の宝ものを再発見していくとりくみとして、「いけまシマ学校」を開講しています。
今回は、第2回シマ学校として、昔から食べられてきた野に咲くごちそうのアマイウムクトゥを習うべく、集落内に自生している野草などを探す散策と、クッキングに取り組みました。
今回の講師は、仲間ヤス子さんと與那嶺ヒデさんの2名。そのほかにも、シマのおばあたち約20名と、学童保育の子どもたちが14名が参加しました。いけまシマ学校の噂が橋をこえて伝わり、今回は宮古島本島からも大人や子どももあわせて13名の方が参加してくださいました。
さっそく、3グループに分かれて集落内の散策に出かけました。文字通り、「道くさ」をしながら食べられる野草などのごちそうを探して歩きます。
「ムツウサ」(和名:シロバナセンダングサ)の新芽を摘みました。ムツウサは年中白い花をつけ、種がそこらじゅうにくっつくことでおなじみの、道端や畑、林のへりなど、どこにでも生えている草。葉は、てんぷらや和え物、味噌汁に入れて食べるそうです。葉を乾燥させて、薬草茶としても用いられます。
郵便局の隣の空き地には、「海のホウレンソウ」(和名:ツルナ)とよばれる草がたくさん生えていました。
葉は肉厚でくせがなく、おひたしや味噌汁にしてもとてもおいしいのだそう。
この「海のほうれんそう」は、種が猫の顔のような形をしていることから、「マユガマフサ」とも呼ばれています。
こちらは「トゥルナ」(和名:アキノノゲシ)。これは、生のままきざんで食べます。
「ヤチューサ」(和名:ヨモギ)もたくさん生えていましたので収穫。
「長命草」(和名:ボタンボウフウ)として知られるこの草は池間では「ワーガマジュー」と呼ばれています。豚(ワー)と一緒に炊いて臭みをとるのによく使われていたのだそうです。
石垣に這うようにして生えていたのは「ツバスグース」(和名:ヒハツモドキ)と呼ばれる コショウの一種。
葉はてんぷらなどにして食べるほか、乾燥させてから燃やすと蚊よけにもなるそうです。
学童保育の小学生たちは、このような野のごちそうを見つけた場所を、のこらず地図に記入していきます。
そのほかにも、「アカバージュー」(ハンダマ)、ツルムラサキ、「バンツギー」(シマグワ)、ニラ、「ンーギー」(芋)の葉、「ヌビー」(ノビル)、「ンギャナ」(ホソバワダン)、雨が降ると出てくる「ヌイジュウ」(ネンジュモ)などなど、全部で17種類の野草を収穫してきました。
きれに洗ってから、テーブルにわかれて調理を開始します。
こちらは、アイジュウ(和え物)のチーム。
海のホウレンソウ、ンギャナ、ツルムラサキ、ンーギーの葉、アカバージューなどを混ぜてゆがきます。
去年の11月にシマ学校のプレ企画で仕込んだ味噌が食べごろになっていたので、味噌と酢、なまり節であえて仕上げました。
こちらはてんぷらに揚げています。バンツギー(桑)の葉や、ウイキョウ、ワーガマジューなどは、そのまま衣をつけて揚げました。
こちらは、ンギャナ、トゥルナ、ニラ、ヤチューサなどを細かく刻んで小麦粉と水と混ぜ、薄く焼いて「ヒラヤーチー」を作りました。
野草がたっぷり入ったお好み焼きのようになりました。香りのよい野草がアクセントになり、とても食べやすいと参加者にも好評でした。
子どもたちは、野草入りのドーナッツとホットケーキづくりに挑戦しました。
バンツギー(桑)の葉とヨモギをミキサーにかけ、すりつぶしてから混ぜ込みます。
幼稚園生から小学6年生のお姉さんまで、みんなで一緒につくりました。
バンツギーの葉はくせがなく、子どもたちでもおいしく食べられたようです。
ヤチューサ(ヨモギ)はジューシー(炊き込みご飯)にしました。とっても良い香りです。
今回講師をつとめた與那嶺ヒデさんは「自然に自分で生えているものが一番おいしく体にも良い」 「昔から池間で食べられてきたもの。島の味は上等だよ」と野のごちそうのアマイウムクトゥを話してくれました。
参加した子どもたちも、「食べられる草がこんなにあるとは知らなかった」「また作ってみたい」と感想を話してくれました。
今回のシマ学校で収穫した野草や、野のごちそうについてのアマイウムクトゥは、今後「アマイウムクトゥヌしおり」としてあらためてまとめてご報告したいと思います。
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