2014年5月2日金曜日

学童の子どもたちとアダンの収穫探検を行いました。


池間島の周囲には、いたるところにアダンが生えています。池間では、アダンは生活に欠かせない非常に重要な植物でした。
5月に入り、一見パイナップルのようにも見える、アダンの実が少しずつ色づいてきました。今回は、学童の幼稚園生5名と3歳のせいくんと一緒に、おいしいアダンの実を探しに池間島島内の探検に出かけました。


アダンの実はヤシガニやオカヤドカリの大好物。昔は、人間の子どもたちにとっても貴重なおやつでした。


たいていの池間のお年寄りや大人たちは、アダンの実はとても甘くておいしかったといいます。また、前泊勤さん(89歳)曰く、アダンはおいしい場所とおいしくない場所があるとのこと。おいしい場所の実は、すぐになくなるらしい。また、赤く熟れた実が甘いわけではなく、むしろ黄色の実のほうが甘いらしいというお話しもききました。


ということで、おいしそうなアダンの実を探し、収穫してみました。


アダンの実を探している途中、アダンの林の下で、おもしろそうなものを見つけてはすぐ夢中になっております。子どもたちは遊びのプロでした。


収穫したアダンの実を持ち帰って、まずはきれいに洗います。


アダンの実が熟すと、実がポロポロ外れてきます。これを池間では「ツガキ」といって、ツガキの根本の部分をしゃぶって甘みを楽しみます。


さっそく味見。わずかに甘みが感じられる程度ですが、収穫した場所によって、甘みが異なっていることにも気づきました。


「ツガキ」を外した中の部分を「バス」といって、こちらも生で食べたり、炊いて食べていたそうです。


バスのほうは包丁で薄くスライスして、こちらも味見をしてみました。



子どもたちは、収穫してきたアダンの実を「きゅーぬふから舎」のオバアたちにも見てもらうことにしました。


昔はこれがおやつだったよ、と嬉しそうにお話をしてくれています。



オバアに聞くと、ツガキの乾燥したものは、カツオなどを燻しながら乾燥させる燃料にも使われていたとのことです。今でいう燻製のチップです。


こちらでは、探検中に見つけたアダナス(アダンの気根)を見てもらっています。
アダンでもっともよく利用されたのがこの気根(アダナス)を割いて作られる縄でした。水に強く良質な繊維であるため、船のロープや生活用具にも利用されてきました。さまざまな生活用具に利用されるアダナスを確保するため、秋になると大人も子供もアダン林に入ったそうです。


せっかくなので、アダナスを裂いて、ロープづくりにも挑戦してみました。
昨年、上原義男さんに教えていただいた方法でアダナスをこしらえていきます。


包丁で皮をむいてから、薄くスライスしていきます。子どもたちも興味深々。


薄く裂いたものを、今度は細く細く裂いていきます。小学生も帰ってきたので、みんなで一緒にアダナスの繊維を裂く作業に取り組みました。


とても丈夫な繊維なので、けんちゃん先生の髪を結っても切れません。
幼稚園生の美優ちゃんは、1時間以上も夢中になってアダナスの繊維を裂いてくれました。


細く裂いた繊維で縄をなっていきます。
「縄ない」は次回あらためて、上手なオジイから習い、みんなで練習してみたいと思います。


最後は、アダナスの縄で大縄跳び。みんなで収穫してきたアダン(アダナス)で、たっぷり1日遊ぶことができました。
子どもたちにとっても、身近にあるアダンでこんなに面白いことができる(そして、食べられる)ということを発見した1日となったことでしょう。

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