2017年6月10日土曜日

シマ学校「アダナスをあむ!」を開催しました


今月のシマ学校は、「アダナスをあむ!」です。
島の暮らしに欠かすことのできなかったアダン。池間島におけるアダン利用について、総合的な学習の時間で目下勉強中の中学生たちと一緒に、シマ学校で使うアダナスの採取にでかけました。

アダナスとは、アダンの気根のこと。先端に傘をかぶっていて、地面に到達する前の状態のものを探して切ります。この日は、池間島灯台周辺のアダンニーという一帯に茂っているアダンの林から、ちょうど良い大きさのアダナスを探しました。

中学生たちが苦戦している間にも、一緒に採取に出かけたおばあは、アダンのトゲも気にせずどんどん林に分け入ってアダナスを採っていました。
こちらはよく熟れたアダンの実。この実も「子どものころによくオヤツとして食べた」というお話を多くの方から聞いていたので、実際に味見をしてみようと収穫しています。

さて、収穫してきたアダナスは、まずは外側の皮をカマや包丁でむいてから、繊維に沿ってうすく裂きます。

みなさんものすごい勢いで、アダナスの「製造」をはじめました。どんどん皮をむいてはうすく裂いていきます。
さながら、アダナス裂き競争のようになっていましたが、とっても楽しそうです。

こちらは、中学生に同行してくださった、池間小中学校の前里先生。ご自身でもアダナスをとってロープを作り、これでいつかハンモックを作りたい、と意気込むほどの縄ない上手な先生です。
生徒たちに指導しながら、一緒にアダナスの繊維を裂いています。

うすく裂いたアダナスは、天日に干してからからになるまで乾かします。乾かし方が足りなかったり、途中で雨に濡らしたりししてしまうと、カビが生えたり繊維が弱くなってしまうので要注意です。

こちらは、収穫してきたアダンの実。外側のぽろぽろ外れる部分を「ツガキ」と呼び、かつての子どもたちはこのツガキの根本をかんで甘みを楽しんだといいます。
さっそく味見してみると、意外と甘い!そして、お話に聞いていたとおり、オレンジや赤の実より、黄色い実のほうが甘いと好評でした。

干しておいたアダナスが乾いたところで、繊維にそってさらに細いひも状に裂きます。固いときは潮水で湿らせてから裂くとやりやすいとのこと。

裂いた繊維で、いよいよロープをつくります。両手をこすり合わせるようにして「より」をかけて、反対方向にねじる、の繰り返しなのですが、慣れるまではなかなか難しい。中学生たちもロープづくりには苦戦しているようでした。


シマ学校講師陣のおばあたちはというと、見事なてさばきでみるみる間に均一なロープができあがっていきます。
アダナスの繊維でつくられたこのロープは、潮水に強いので、海で使う網や網袋、船を舫う丈夫なロープなどもみんなこのアダナスでつくられていました。

カツオ漁が盛んだったころ、カツオ船の乗組員やその家族が作ったアダナスのロープを3本より合わせて、太く丈夫な係留ロープをつくるという光景が水浜広場で見られたというお話もよくききます。

アダナスのロープづくり、なかなか根気のいる作業でしたが、時間が経つのも忘れて集中して取り組むことができました。今後、自分でつくったロープを編んで、網や網袋が作れるくらいまで練習していけたらと思います。

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