2014年3月28日金曜日

ウツマミ成長記録その1


3月20日
戦前から池間島で栽培されていたウツマミ(下大豆)を復活させるため、「よみがえりの種」として3月4日に種まきを行いました。
播種してから16日目、ようやく発芽!

種まきを行った直後に一度パラパラと雨が降ってくれましたが、その後2週間はまとまった雨はありませんでした。水が少なかったせいか、発芽がずいぶん遅くなりました。
そして、予想はしていましたが、発芽したそばから鳥に食べられていることも発見…。(写真左は見事に食べられてしまっています)

そこで急遽、葉が伸びてくるまでの間鳥避けのひもを張ることにしました。
種を播いた部分の上部10~15cmのところに黄色い糸を貼っています。

3月28日
鳥による食害が抑えられ、順調に成長していました。この日は、生ごみたい肥(宮古島市資源リサイクルセンターにて製造されています)を施肥しています。

収穫まで7か月近くかかるウツマミですが、今後も成長経過を見守っていきたいと思います。

2014年3月24日月曜日

池間島ガイドマップを制作しています。


今年度も、残すところあろ1週間です。
現在、絶賛制作中の「池間島ガイドマップ」では、池間島の暮らしと自然を軸に、島で生きてきた人びとが大切にしている風景、史跡や拝所などをていねいに案内できるものを目指しています。
昔から使われているイキマフツ(池間名)での地名の保存と継承も忘れてはなりません。

いろいろな方にご協力をいただきながら制作しておりますので、出来上がりましたらホームページ上でも紹介させていただきます。

2014年3月19日水曜日

すまだてぃだより13号を掲載しました。


すまだてぃだより13号ができました。

○今月の特集記事
 池間大橋開通22周年記念 グラウンドゴルフ大会開催
 池間幼小中学校 卒業式
 よみがえりの種をまこう~ウツマミ(下大豆)の種まき~
 シマ学校で本格的お豆腐づくりに挑戦
 今月の行事予定

こちらからpdf版をご覧いただけます。

2014年3月10日月曜日

シマ学校プレ企画③~ゆしとうふづくり~を沖国大の学生さんと一緒に行いました。


現在60代の方々が子どもの頃まで、池間島には豆腐屋が2軒あり、朝早くから鍋をもって豆腐やアマユー(豆乳)を買いにいっていたというお話を聞きます。今回は、先日復活したばかりの石うすうを使って、昔ながらの方法でとうふづくりに挑戦しました。

とうふづくりの先生は、シマ学校のみなさんです。さらに、今回は沖縄国際大学から人間福祉学科 地域福祉専攻のゼミ生7名と先生が2泊3日の”ゼミ旅行”(しかも民泊!)で来島してくださったので、とうふづくりにも一緒に参加していただきました。


一晩(18時間くらい)吸水させた大豆を、石臼でひいていきます。石臼をまわす際にも、力の入れ方にコツがあるそうです。適宜水を加えながらリズムよくまわさないと、途中で引っ掛かって余計に力が必要になってしまいます。


大学生たちが苦戦しているのを傍目に、82歳の仲原ソヘ子さんはものすごい勢いで軽快に臼を回します。しかも片手で。「もう片方の手で、大豆と水を一緒に少しずつ穴に落としながら挽くと早いさあ。」とのこと。
簡単そうに見えますが、とても力が必要な重労働です。

約1時間ほどかけて石臼で挽いた大豆の汁を、今度はさらしの布袋で漉して絞り、豆乳とおからにしていきます。


この作業もなかなかの重労働でした。
ミキサーなどですりつぶすよりも、石臼で挽いた大豆はかなりきめが細かいため、さらしの目に詰まって絞るのに時間がかかりました。


やっと絞り終わった豆乳を、薪で沸かします。ふわふわと泡のように浮いている灰汁はとりのぞきます。
この状態のものが「アマユー」と呼ばれ、温かいアマユーには砂糖を溶かし甘くして飲んでいたそうです。今でいう豆乳飲料のような飲み物でしょうか。「アマユー、あれはおいしかったよねえ」と誰もが口にするので、実は豆腐よりも人気があったのではと思われます。


表面に少し膜が張るようになったら、豆と同量の海水を投入します。
投入する海水も、イキヅーヒダで汲んできたものです。


しばらくそのまま加熱すると、次第に豆乳が分離して豆腐がかたまってきました。
ふわっとやわらかく、大豆の甘みとほんのり塩味のするやさしい味のゆしどうふが出来上がりました。ゆしどうふは出来立てが一番おいしいそうです。


同時に、たうふがす(おから)も調理します。


にんじん、ニラ、なまりぶしを加え、それぞれのテーブルで炊いています。
最後に出来立てのゆしどうふとおからの試食会を行い、おなかも大満足のシマ学校となりました。

2014年3月5日水曜日

3/5の宮古新報にウツマミの種まきについての記事が掲載されました


3月5日の宮古新報に、昨日行ったウツマミの種まきについての記事が掲載されました。

宮古新報HPでもこちらから記事を閲覧できますます。

2014年3月4日火曜日

よみがえりの種を播こう~ウツマミ(下大豆)の種まき~を開催しました。


3月4日(火)、県立宮古総合実業高校のみなさんが来島し、よみがりの種を播こう~「ウツマミ」の種まき~を開催しました。
この日参加してくださったのは、農業クラブに所属する生徒さんたち9名。学校の畑で農作物を育てながら、地域のお年寄りや子どもたちと一緒に収穫体験をしたり、地域活動に参加して課題を共有したりしながらプロジェクト活動に取り組んでいるそうです。


活動をはじめる前に、前泊より「高齢者の知恵と経験が創る島おこし」と題して、池間島で取り組んでいる活動の紹介をさせていただきました。
そして、「アマイ・ウムクトゥ・プロジェクト」の中から、池間島で戦前から栽培されていた「ウツマミ」について、島の高齢者から栽培方法や脱穀、加工方法などを学び、在来作物や原風景の復活、特産品づくりに生かしていきたいということについてお話ししました。


まずは、大豆とウツマミを比較してみます。
小豆ほどの小さな豆ですが、豆腐やみそはこのウツマミで作っており、とてもおいしかったというお話をよく聞きます。
現在は豆としてはほとんど栽培されていませんが、緑肥としてキビ畑の地力回復に使われていました。この効果は絶大と言われています。


今回の先生は、前泊勤さん(89歳)です。
ウツマミのことや、具体的な育て方について、何名かの島の方からお話を伺いましたが、皆口をそろえて仰るのは「ウツマミのことは勤さんに聞くといい」とのこと。
いまでも奥さんとふたりで毎日畑に通い、様々な野菜を作っておられる現役です。昔、池間で多様な豆類を栽培していたことを教えてくれたのも勤さんで、数年前までは実際にウツマミも栽培されていました。


さて、早速畑へ移動します。
いまではすっかりきれいな畑になりましたが、2年前までは背後のような木が生い茂る”山”になっていた場所でした。

ウツマミは、茎が地面を這うようにして長く(一広くらい)伸びるため、種を播くときも間隔を広く開けて播くのがポイントです。密集して播くと、伸びた茎が絡まり合い、収穫の際に大変なことになります。
今回は畝を上げてありますが、平らにならしたところにそのまま播いても良いそうです。
だいたい大股1歩の間隔をあけて、2~3粒づつを指であけた穴に落とし、軽く土をかぶせます。


勤さんの指導のもと、高校生たちも種まきを開始します。

「種まきは旧暦2月(立春がきたらすぐ)、収穫は旧暦10月ごろ、葉が黄色く枯れてきたら鎌で根本から刈り取る。それまでの間、水や肥料は与えず、草が出たら抜く。病気にはならないよ。」
育て方もならいます。

今回播いて残った種を、学校の農場にも持ち帰って栽培してみたい、という声も多くの生徒から聞かれました。
また、大豆とウツマミの栄養価の比較や、収穫した豆や葉などの加工など、プロジェクト部の中でいろいろな実験をしてみたい、と意欲的な感想をいただきました。
「ウツマミ」の復活を通じて、それぞれの地域で知恵をもつ高齢者と若い世代の交流や技術の継承、新しいものづくりへと発展していくのではないかと期待しています。


最後に、参加してくださった高校生の感想を紹介します。

・伊良部に住んでいるんですけど、伊良部でももう栽培されてないよ、と言われていたので、今日もらった豆を半分は学校、半分はおうちで育てて、伊良部でも増やしていきたいなと思いました。

・今日は、初めて下大豆の種を植えることができて、いろいろ話がいっぱい聞けたので、プロジェクト部の活動に活かすことができたらいいなと思います。

・今日は、講話で「島を出ていくということは死を意味する」ということや、「島を捨てたということは老後の不安の裏返し」であるということを知り、おじいちゃんおばあちゃんが自分たちが生まれ育ってきた池間島で最期まで過ごしたいという気持ちを持っているんだなということを知りました。下大豆を植えて、最初は一人取り残されてみんなスタスタと終わってしまったんだけど、自分のペースで気持ちを込めて植えることができたので良かったです。今日はありがとうございました。

・今日は初めて下大豆を植えて、よい体験だった。自分は多良間なんですけど、多良間にも昔は下大豆があったと聞いたんですけど、今はないので、身内とか地域の方々に下大豆のことを教えて、増やしていきたいなと思いました。できたらまた食べいです。

・今日はじめてウツマミっていうのを知って、こんなのが本当に豆なのかと思いました。でも食べてみると本当に豆の味ですね。普通の大豆よりおいしいと思います。だからこれを使った加工品とかがあったら本当に食べてみたいなと思いました。今日は本当にありがとうございました。

・今使っている大豆とこのウツマミは、灰汁の強さというのか、在来種のウツマミの方が青臭さや味の強さがほどよかったので、おいしくいただけました。これからはこのウツマミを使っての食品などをつくって、池間ブランドみたいなものを考えていけたらいいなと思いました。

・下大豆を植えるのは初めてで、貴重な体験ができたのでよかったなと思いました。できれば収穫の方も来させていただけたらなと思います。

・今は2年生一人だけなんですけど、他にも何名かいるので、収穫の時に連れてこれたらいいなと思っています。同じクラスの子から池間の話を良く聞いていて、民泊って何?と思っていたんですけど、民泊が高齢者の生きがいになっていたり、地域の活性化や発展にもつながっていると分かったので、すごいなと思いました。課題研究の発表の時に、アマイ・ウムクトウ・プロジェクトなど池間のことも伝えたいなと思ったので、他の人にも知ってもらって、もっと発展できたらなとい思います。

2014年3月3日月曜日

1960年代ごろまで活躍していた石臼が復活しました。

高齢者の経験や生活の知恵を記録にとどめ、そこから次世代へ引き継ぐべき島の宝物を再発見していく「アマイ・ウムクトゥ・プロジェクト」では、暮らしに欠かせない道具の復活・見直しもとても大切な作業です。
先月、島のおばあから長い間倉庫で眠っていたという石臼を譲っていただきました。鉄芯が錆びて朽ちていたり溝が消えかかっていたものを、島の石大工さんに修理してもらいましたので、早速大豆を挽くテストを行ってみました。

臼を回す方向やリズム、水の差し加減など、実際に臼をまわしてみないとわからない”コツ”が多々あるようですが、石臼として立派に使用できます。
(石臼をタライの上に乗せる際に、タライに十字に渡す「ガディギー」とよばれる木製の道具は現在復元中のため、代用品を使用しています)


来週の「シマ学校」では、高齢者のみなさんと一緒にこの石臼を使って「ゆしどうふ」を作りながら、生活の知恵や、石臼で挽いて作るものなどの話題を掘り進めていきたいと思います。

写真は、本日のテストで挽いた大豆の豆乳からつくったゆしどうふ。