2014年3月4日火曜日
よみがえりの種を播こう~ウツマミ(下大豆)の種まき~を開催しました。
3月4日(火)、県立宮古総合実業高校のみなさんが来島し、よみがりの種を播こう~「ウツマミ」の種まき~を開催しました。
この日参加してくださったのは、農業クラブに所属する生徒さんたち9名。学校の畑で農作物を育てながら、地域のお年寄りや子どもたちと一緒に収穫体験をしたり、地域活動に参加して課題を共有したりしながらプロジェクト活動に取り組んでいるそうです。
活動をはじめる前に、前泊より「高齢者の知恵と経験が創る島おこし」と題して、池間島で取り組んでいる活動の紹介をさせていただきました。
そして、「アマイ・ウムクトゥ・プロジェクト」の中から、池間島で戦前から栽培されていた「ウツマミ」について、島の高齢者から栽培方法や脱穀、加工方法などを学び、在来作物や原風景の復活、特産品づくりに生かしていきたいということについてお話ししました。
まずは、大豆とウツマミを比較してみます。
小豆ほどの小さな豆ですが、豆腐やみそはこのウツマミで作っており、とてもおいしかったというお話をよく聞きます。
現在は豆としてはほとんど栽培されていませんが、緑肥としてキビ畑の地力回復に使われていました。この効果は絶大と言われています。
今回の先生は、前泊勤さん(89歳)です。
ウツマミのことや、具体的な育て方について、何名かの島の方からお話を伺いましたが、皆口をそろえて仰るのは「ウツマミのことは勤さんに聞くといい」とのこと。
いまでも奥さんとふたりで毎日畑に通い、様々な野菜を作っておられる現役です。昔、池間で多様な豆類を栽培していたことを教えてくれたのも勤さんで、数年前までは実際にウツマミも栽培されていました。
さて、早速畑へ移動します。
いまではすっかりきれいな畑になりましたが、2年前までは背後のような木が生い茂る”山”になっていた場所でした。
ウツマミは、茎が地面を這うようにして長く(一広くらい)伸びるため、種を播くときも間隔を広く開けて播くのがポイントです。密集して播くと、伸びた茎が絡まり合い、収穫の際に大変なことになります。
今回は畝を上げてありますが、平らにならしたところにそのまま播いても良いそうです。
だいたい大股1歩の間隔をあけて、2~3粒づつを指であけた穴に落とし、軽く土をかぶせます。
勤さんの指導のもと、高校生たちも種まきを開始します。
「種まきは旧暦2月(立春がきたらすぐ)、収穫は旧暦10月ごろ、葉が黄色く枯れてきたら鎌で根本から刈り取る。それまでの間、水や肥料は与えず、草が出たら抜く。病気にはならないよ。」
育て方もならいます。
今回播いて残った種を、学校の農場にも持ち帰って栽培してみたい、という声も多くの生徒から聞かれました。
また、大豆とウツマミの栄養価の比較や、収穫した豆や葉などの加工など、プロジェクト部の中でいろいろな実験をしてみたい、と意欲的な感想をいただきました。
「ウツマミ」の復活を通じて、それぞれの地域で知恵をもつ高齢者と若い世代の交流や技術の継承、新しいものづくりへと発展していくのではないかと期待しています。
最後に、参加してくださった高校生の感想を紹介します。
・伊良部に住んでいるんですけど、伊良部でももう栽培されてないよ、と言われていたので、今日もらった豆を半分は学校、半分はおうちで育てて、伊良部でも増やしていきたいなと思いました。
・今日は、初めて下大豆の種を植えることができて、いろいろ話がいっぱい聞けたので、プロジェクト部の活動に活かすことができたらいいなと思います。
・今日は、講話で「島を出ていくということは死を意味する」ということや、「島を捨てたということは老後の不安の裏返し」であるということを知り、おじいちゃんおばあちゃんが自分たちが生まれ育ってきた池間島で最期まで過ごしたいという気持ちを持っているんだなということを知りました。下大豆を植えて、最初は一人取り残されてみんなスタスタと終わってしまったんだけど、自分のペースで気持ちを込めて植えることができたので良かったです。今日はありがとうございました。
・今日は初めて下大豆を植えて、よい体験だった。自分は多良間なんですけど、多良間にも昔は下大豆があったと聞いたんですけど、今はないので、身内とか地域の方々に下大豆のことを教えて、増やしていきたいなと思いました。できたらまた食べいです。
・今日はじめてウツマミっていうのを知って、こんなのが本当に豆なのかと思いました。でも食べてみると本当に豆の味ですね。普通の大豆よりおいしいと思います。だからこれを使った加工品とかがあったら本当に食べてみたいなと思いました。今日は本当にありがとうございました。
・今使っている大豆とこのウツマミは、灰汁の強さというのか、在来種のウツマミの方が青臭さや味の強さがほどよかったので、おいしくいただけました。これからはこのウツマミを使っての食品などをつくって、池間ブランドみたいなものを考えていけたらいいなと思いました。
・下大豆を植えるのは初めてで、貴重な体験ができたのでよかったなと思いました。できれば収穫の方も来させていただけたらなと思います。
・今は2年生一人だけなんですけど、他にも何名かいるので、収穫の時に連れてこれたらいいなと思っています。同じクラスの子から池間の話を良く聞いていて、民泊って何?と思っていたんですけど、民泊が高齢者の生きがいになっていたり、地域の活性化や発展にもつながっていると分かったので、すごいなと思いました。課題研究の発表の時に、アマイ・ウムクトウ・プロジェクトなど池間のことも伝えたいなと思ったので、他の人にも知ってもらって、もっと発展できたらなとい思います。
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