2017年7月13日木曜日

アダンバだけで芋が炊けるのか!?実験

 7月13日(木)14:00から、池間小中学校にて、「アダンバだけで芋を炊く」、「アダンツーで燻製をつくる」に挑戦しました。中学生の総合学習の時間です。
 この日、佐良浜出身の前里正則先生が佐良浜の友人にお願いして、燻製用にとカツオを5尾準備してくれました!午前中の技術の授業で、中学3年生がさばきました。サクにしたカツオは塩茹でにします。
 今回の実験、アダンバだけで煮炊きをしてきた経験者である島のおばぁ、仲間ヤス子さんと与那嶺ヒデさんに監督をしてもらいます。シマ学校校長の儀間利津子さんも来てくれました。
 先週、島の一周道路北側で採取した乾燥したアダンバを準備します。さっそくヒデさんが手際よく束を作っていきます。両手で一掴みくらいの量を束ねます。アダンバを焚物に使うには、まずこの作業が大事とのこと。
 今回炊く芋はこちら。外側は白く、中はところどころ紫色のさしが入ったものが混じる芋です。島の人が長らく食べてきた種類の芋と思われます。これも前里先生が調達してきてくれました。
 水加減はヤス子さんが指示。ヒタヒタよりやや少ないぐらいが目安でした。ヤス子さん曰く「昔は、もっと芋が小さかったよ。みんな芋が主食でよく食べたから、大きくなる前に収穫していたからね」。
点火するとアダンバは勢いよく燃え始めました。
 芋を炊く横では、カツオの燻製づくりを開始。網に塩茹でしたカツオを乗せ、つくっておいた熾火に乾燥させたアダンツーを置き煙を出します。煙が十分上がってきたら、カツオの上にアルミホイルを被せました。
 芋炊きは、束にしたアダンバを絶やさず、しかし一度に入れすぎず、タイミングよくくべていくことが大事。アダンバの束の火力は強いです。点火から10分弱で沸騰しました。
 アダンバを要領よく燃やしていくやり方をヤス子さんとヒデさんに教わります。軽トラックの荷台いっぱいに準備したアダンバがどんどん減っていきます。
 ストップウォッチで時間をはかっています。ヤス子さんにアダンバの入れるタイミング、灰のかき出し方を習い、中学生も上手になっています!
 男子はアダンバ置き場から、アダンバを運ぶ係。
 アダンバの火力は衰えず、火の番はかなり汗をかきます。約40分、炊き続けて、おいしい茹で芋ができました。
 となりの燻製もだいぶ色づいてきました。いい匂いがします。
 カツオもタコも飴色に。タコは屋嘉比校長先生が持って来てくれました。カツオもタコも噛めば噛むほど味があります。
 できたてのカツオを味見。「かんばしい~!この匂い、とっても懐かしい。昔を思い出すよ」とうれしそうに話すやすこさん。
 できたてのカツオとタコの燻製、あつあつの茹でた芋。おいしい匂いに包まれながら、昔の話で盛り上がりました。「芋を炊いて鍋底にできるお焦げがとっても甘くて、焦がしすぎると苦いけど・・、あれが子どものころ楽しみだった~」と語るおばぁたち。
片手に芋、片手にカツオのなまり節、これが最高!とヤス子さんとヒデさん。これぞ池間島の昔のごはん。今より煮炊きの作業に時間はかかるけど、本当においしいものを食べていたんですね。
今回、中学生の授業で昔の話の聞き書き調査で得られた情報「池間では昔はアダンバだけで芋を炊いていたんだよ」を実験したわけですが、話の通り、炊くことができました。アダンバの量や、芋および水の量、実際にかかった時間など、詳細に記録しました。今回得られた結果は、8月5日開催のアダンサミットで中学生が発表します。お楽しみに!

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